阿部知二訳 東京創元社 1960年初版発行
BBC第1話のタイトルが「ピンク色の研究」になっているところからして
「緋色の研究」のオマージュなのだが
小さいころに抄訳を読んだきりだったので
犯人が復讐に至るまでの長い物語の後半があることを
すっかり失念していた。ユタ州のモルモン教の街なのも興味深い。
小さいころに抄訳を読んだきりだったので
犯人が復讐に至るまでの長い物語の後半があることを
すっかり失念していた。ユタ州のモルモン教の街なのも興味深い。
登場シーンで、シャーロックが死体を鞭でしばき倒すホームズが描かれていて
なんじゃこりゃと思ったけど、原作でもまったく同じシーンがあるのだな。
「音楽が言葉よりも前にあった。だから音楽を聞くと
遺伝子レベルで魂がふるえる的」な言葉が素敵だった。
ホームズは地動説も知らない、と言うワトスンに
「凡人はいらん知識をためこむから効率が悪いのだ」というのは
BBCの第1シーズン3話でも出てくるセリフ。
最後のラテン語
「世の人は余を非難す。されど余は家にて、箱の金をながめつつ自らを称える」
原典は
populus me sibilat, at mihi plaudo Ipse domi simul ac nummos contemplar in arca
馭者の犯人はBBCではタクシー運転手に。
(当時、辻馬車というのは9700台もロンドンを走っていたそうだ)
ふたつの薬のうち、どちらかを選ばせるという犯人の手法も
緋色の研究からとっている。
また、犯人に動脈瘤があるというのも原作まま。
ただ、緋色の研究の犯人は復讐(rache)の殺人だったのに対し
BBCの犯人のほうは家族へ遺す金のための
殺人ゲームだったというところが異なっている。
BBCのは冒頭から宿敵モリアーティの名前が出る。
